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めげない

「我が身のドジに泣けてしまう…」というセリフが、大島弓子作「さようなら女達」のなかに登場する。主人公は肩を落として手の甲で涙を拭きながら歩いている。これ以上ないとうほど落ち込んでいる。なさけなく、かなしい思いが身体にどよーんと溜まっているようである。

 自分がミスをおかすたびに、この絵とセリフが頭に浮かぶ。
 そしてそういうことが先週に連続してあった。
 
 私は週に二回、体操教室に通っている。自転車で片道十五分ほどの距離を、仕事から疲れて帰った後にせっせと通っているのは、ここに行くと身心がとてもスッキリとするからである。
 この体操教室は火曜と木曜の夜にある。かれこれもう七年以上続けているというのに、先週、月曜日に行ってしまったのだった。
 こんなことは初めてで、到着して電気のついていない建物を見て、ハッと気がついた。曜日を間違えていたわけではなく、私にはその日が月曜日だという自覚はあった。火曜日が生協の配送の日なので前夜にいつも注文書を書いている。私は体操から帰ったら注文書を書かなくては、と考えていたのだった。そのため、よけいにショックが大きかった。
 
 それからその週の金曜日、私は翌週から東京に行く予定があったので新幹線の切符を買いに行った。いつも先にチケットショップで回数券を買い、それを券売機か窓口で指定席付きのチケットに換えるようにしている。
 行きは新大阪から品川まで、最後の日は横浜で泊まるので帰りは新横浜から新大阪までの切符を買わなければならない。これは年に数回のことだがいつも同じ行程でもう十一年目になる。
 チケットショップのカウンターに行くと、新横浜から京都までの回数券が期限間近のため安くなっていた。激安という文字を見て、私はついそれを買ってしまったのだ。なぜか京都が新大阪より西で、横浜からだと新大阪の先に京都があると思い込んでいたのだった。
 そして緑の窓口でその思い違いに気がつき、「どうしますか?」と聞かれたが、一駅分の特急券をよぶんに払う気になれず、帰りは新幹線を京都で下車して普通の電車で帰ることにした。結果的に安くはなったが時間はかかり、しかも京都から大阪まで混んだ電車のなかで立って帰らなければならなかった。
 
 我が身のドジに泣けてしまう…。
と肩を落とす女子高生ではもはやない。私の場合は加齢が原因だろうと思う。けれど月曜日の件は週末の仕事が限界を超えるほどの忙しさだったことも関係しているかもしれない、と自分に言い聞かせた。

 実は先週は他にも小さなミスがいくつか重なった。
 このふたつのことを含めて、すべて自分で解決できるものであったことはまだよかった。
 曜日を間違えればそのまま家に引き返してまた翌日に行くし、京都で下車してもきちんと家には帰ってきた。
 最後はなんだかファイトが湧いてきた。
「めげない!」と心で叫ぶ自分の声が聞こえたのだった。

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花設計士

加齢に関係なく誰でもよくあることです。めげずにファイトを……。
by 花設計士 (2018-06-05 01:23) 

車屋さん

加齢よ、まちがいなく。それでイーノダ。
まあ、ボチボチ のんびりさ! なにをあくせく
カワバタヤナギってよ。

by 車屋さん (2018-06-08 10:36) 

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