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二人姉妹

 女の子が二人以上いるお母さんが、上の子よりも下の子のほうと馬が合うとか、自分は娘達の中で何番目の子と一番仲がいい、とか話しているのを聞いて衝撃を受けたことがある。
 母親が自分の子どもに対してそんな感情を抱くのか、と驚いたのだった。私には男女一人ずつしか子どもがいないので、そういう考えは思いうかばない。
 これは自分と同性であるところの娘が複数いたときに生まれる感情なのだろう。
 
 私自身は姉と二人姉妹だから、母はこういうことを思っていたのだろうか、と亡くなって10年たった今になって考える。
 姉は五歳上なので、どちらかというと、幼い頃の私には監督者が二人いたようなところがあった。おそらく母は私よりも姉の方に近しい感覚を抱いていたのではないか、と想像できる。
中学生の頃は、
「アツミは反抗期だから」
などと二人でひそひそ話をされて、ムッとした記憶がある。
 年を重ねて認知症が進行した母は、姉のことはわかっていたが、私のことは判別できていなかった。姉の、高校生の娘を私だと思い込んでいた。私が四十代の頃だった。
 下の子である私に対するイメージが十八歳くらいで止まっていたようだ。
 母の若い時の写真は私によく似ている。姉はどちらかというと父方の系統の顔をしているから、私には違った思い入れがあったのではという気もするけれど、今となっては母が二人の娘のことをどう思っていたのかはわからない。
 
 その姉と近頃よく会っている。
父親の介護の用事が多いが、帰りには必ず一緒にお茶を飲むし、二人で買い物にも行く。性格も好みもわかっているから何でも言える。気を許しあっている感覚がある。
 誕生日プレゼントのやり取りもずっと続いている。私は一年に一度、3月に自分の一番欲しいものを考えて、それを姉からもらう。
 姉は11月なので、同じように、“Think Bee”というブランドのバッグをリクエストされ、先日はそれを一緒に買いに出かけた。
 
 私が大学生の頃は、すでに働いていた姉からよく洋服を買ってもらっていた。とても甘えていたと思う。試着して似合っていたら、たいていは買ってくれた。細かいことにこだわらない性格で気前がいい。誕生日プレゼントも姉の方が高い物を買ってくれるという暗黙の了解があったが、近頃は私だって同レベルのものを渡している。
 姉と妹といってもいろいろなパターンがあるだろう。
 私にとっては原家族、という感じで、ストレスをまったく感じない相手だけれど、そうでない姉妹もいるに違いない。
 私は運が良かった、と思っていいのだろう。

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