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不思議の負け オセロ

 勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
 という言葉を聞いたことがある。野村克也さんが言われたのが有名だけれど、元は江戸時代の剣術の達人の言葉らしい。
 私自身はマンガ「エースをねらえ!」の中で目にした記憶がある。
 新型ウィルスのせいで家に引きこもっている間にオセロをやっていてこの言葉を思い出したのだった。
 きっかけは知り合いの若い保育士さんが、
 私、ルールもよくわかってない四歳の男の子にオセロ負けちゃったんです、もちろん、真剣にやってですよ。
 と話しているのを聞いて、笑いながらも、なるほど、ありがちな話だし、私がやってもたぶんアブナイな、と思ったことだった。
 
 黒と白が裏表になった石を使い、相手の石を自分の石で挟んで色を裏返していくというオセロのルールは知っているけれど、今まで誰かと対戦したことはあまりないし、あったとしても、特によく考えずにやってあっさり負けていたように思う。
 夫も息子(幼いときでさえ)もこの手のゲームは強く、私はかなわないものだという思い込みを持っている。生粋の文系なので、理系脳を持つ人にはコンプレックスを抱いて生きてきた。
 
 それで、時間がたっぷりあるこの期間に、ちょっと勉強してみようかという気持ちになった。YouTubeやネットにはさまざまなオセロ攻略法が載っているから、そこからコツを覚えることができたら、少なくともルールがよくわかっていない四歳児に負けることはないだろう、と考えたのだった。
 私には今までにもこの方法で、折り紙の川崎ローズやルービックキューブを攻略してきた成功体験がある。
 それでYouTubeで初心者向けの講座を見ながらネット上の練習問題を解き、同時にスマートフォンにダウンロードしたオセロゲームでAIと対戦を重ねる、というのをここ数ヶ月続けている。

 オセロは覚えるのに一分、極めるのに一生かかると言われている。実際にやってみると、奥が深すぎて、自分にはとうてい極めきれそうにない、ということだけが、はっきりわかった。
 私は、先を読む、というのがなかなかできない。
 でも、とてもおもしろい。
 スマホのゲームは1級から始まって30級までランクがあり、私は今その16級を相手に勝ったり負けたりしている。
 まだ悪手や好手というのがよくわかっておらず、勝ったときは、なぜ、勝ったんだろう、といつも思う。
 勝ちに不思議の勝ちあり、である。
 けれど私の場合は、負けた理由もよくわからない。
 何が悪かったのか、どの手が勝負の分かれ目だったのかが理解できていない。
 それで不思議の負けばっかりということになる。
 でも懲りずに繰り返し繰り返しやっている。相手がAIというのが気楽である。
 
 川崎ローズやルービックキューブは一日でマスターしたけれど、今ではすっかりやり方を忘れている。
 けれどオセロとは一生付き合いそうな気がする。
 
 とにかく、負けた原因を自覚して不思議の負けをなくすこと、早くそれができるようになりたい。

タグ:オセロ
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