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憧れの早寝早起き

 以前、「憧れの早寝遅起き」というエッセイを書いたことがある。
 私は朝が苦手で、いくらでも寝ていたいほうだ。大学生の頃などは、寝たいだけ寝るのがうれしかった。その頃は夜更かしも大好きで、昼夜逆転寸前のような生活をしていた。テレビの深夜番組を見たり、ラジオを聞くのも楽しかった。ゴールデンタイムにはない、作り手の新しい感覚に浸っていた。シーンとした夜の静けさのなかで、昼間とは違う集中力を発揮して、一人で好きなことをしている自分に満足していた。
 けれど次第に夜早く寝る贅沢感、というのを知るようになり、今では布団に入る時間が遅くなると、とても残念で、自己嫌悪に近い気持ちになる。
 今は深夜番組に興味はなくなった。どうしても見たいものがあれば録画という手を使う。
 それでも少し前までは、朝はやっぱりゆっくりと寝るのが幸せだった。
 目覚ましアラームをセットしないで眠るのが快感だった。
 それが、最近の私は、だんだんと、早起きがしたくてたまらなくなってきたのだった。
  
 年を取ると早寝早起きになる、というのを聞いたことがある。
 私は絵に描いたように典型的なそのパターンにあてはまってしまっている。
 
 近所に、毎朝、石切神社にお詣りをしているというお婆さんがいる。
 石切神社へは電車を乗り継いで1時間はかかる。それを毎朝、始発の電車に乗っていくのだそうだ。
「とにかく日が変わったら、また行きたいのです」
と彼女は話していた。
「夜中の12時を過ぎたらもう朝やから、そうするとすぐにでも行きたい」
 毎朝、我慢して始発電車が動くのを待つのだそうだ。夜明けが遅くて辺りが暗い時期は家族に止められる。それでも早足で、タッタッタと歩き、サッとお詣りをして、みんなが起きて活動を始める前には家に帰ってくる。
 それが毎日の楽しみだなのだと言っていた。その代わり、夕方には眠くなるのだそうだ。
 
 数年前にその話を聞いて、感心はしたけれど、その心持ちは私にはわからないな、と思った。
 それが今はなんとなく理解できるようになっている。
 昔の人々がそうだったように、できれば夜明けとともに起きたい。もちろん早寝をしてじゅうぶんに睡眠を摂った上でのことである。
 それが今の望みだけれど、そう願っているのに翌日が休みの日で予定がなかったら、やっぱり遅くまで寝てしまう。何度か目が覚めて、再び目を閉じてしまう。そして起きてから、強い自己嫌悪に襲われるのだった。頭痛がおこることもあって、一日が台無しになってしまう。
 
 私の場合、今はまだ過渡期、ということだろうか。
 

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