それぞれの健診
私の夫は勤務先を2回かわっている。
現在は3カ所目で、これは今年の四月からである。結婚してからずっと夫の扶養家族である私は、この四月から、3種類めの保健証を手にしている。
先日、今の勤務先になってから初めて、扶養家族用の健康診断を受けに行ってきた。今までずっとこの制度を利用してきたけれど、健康保険の種類によってその内容はそれぞれである。
今思うと、最初の勤務先の健康診断は無料で人間ドックを受けられるというもので一番良かった。
そういう専門の施設があり、毎年必ず申し込むような仕組みになっていた。
検査の項目が多くてバリウムを飲む胃の検査も必ずあった。乳癌と子宮癌の検査はオプションで有料だったと思う。
施設の1階にレストランがあって、検査が終わるといつも食事券がもらえた。
洋食か和食かを選ぶようになっていたが、
「中華がいいんですけど」
と言うと、近くの中華レストランの券ももらえるのだと、夫の同僚の奥さんが教えてくれた。
次の勤務先では、無料で特定健診を受けられる、という制度があって、自分で医療機関に申し込むシステムだった。
特定健診というのは生活習慣病を予防するためのごく基本的な検査項目だけのもので、子宮癌、乳癌については別に専門医で検診を受ける必要があった。
子宮癌は婦人科、乳癌は外科で、別々の場所に行く必要があった。
何度か受診したが、もう少ししっかりとした検査を受けたくて、1回だけ自費で人間ドックを受けたことがある。
そのときは上限のある補助金が出たと記憶している。このときに生まれて初めて胃カメラの検査を受けた。
その後、コロナが蔓延してからの数年は受診していなかった。
今の健康組合では、無料の特定健診と有料オプションの乳癌子宮癌検診が1カ所で受けられる巡回型の検診が実施されていた。
前よりは便利だな、と思った。
都合のいい日にちと場所を選んでネットで申し込んだ。
ちょうどホテルの一室を借りて開催される日と都合が合ったので、少し遠かったが電車で出かけた。
行ってみると受診者は全員女性だった。そのように時間調整がなされていたようだった。
スタッフもほぼ女性だった。ここに限ってのことではないが、女性同士には特有の気安さや安心感もありつつ特有の冷たさというのもある。しかしすべてにおいて手際がよく、最後まであまり待たずにスムーズに進んで終わった。私はまた来年も受けようと思いながら会場をあとにした。
母が生前に乳癌の手術を受けており、そういった婦人科系の病気は遺伝があるというので人より過敏になっているというのもあるかもしれない。健診なんか大嫌い、いっさい受けない、という人の話も聞く。でも私はいろいろな検査を受けてみたい、という気持ちを持っている。
夫は病院に宿泊して検査を受けることもある。腸の検査などは私も一度受けてみたいと思っている。
私の両親は自営業だったし田舎暮らしだったこともあってか、病気の自覚症状が出るまで健診というのを受けたことはないと思う。時代もあったかもしれない。
私の知り合いには献血が趣味という人がいる。血液検査を兼ねているのだという。また市の広報などを見ていると誰でも受けられるさまざまな健診の案内が載っている。
利用できる制度は利用しないと損な気がする。
そういう性格なのである。
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