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愛しておくれ

 NHKの朝ドラを熱心に見ている。ちょうど仕事に出る前の時間なので、それに合わせて化粧をするようにしている。主題歌の桑田圭祐の声が聞こえるまでにその他の用事を全部済ませてテーブルの椅子に座るのである。
 
 ビートルズの来日公演の騒動が終わって、主人公みね子の幼なじみが再登場し、また新しい展開が期待されるところである。
 今朝の放送で、みね子が想いを寄せる大学生が、ビートルズの公演チケットについて告白する場面があった。
 みね子は熱烈なビートルズファンの叔父のために、なんとかチケットを入手しようと懸賞付きの歯磨き粉を大量に買い込んで応募するが、努力は無駄に終わり、チケットを手にすることはできなかった。
 それを承知の上で茨城から叔父の宗男が上京してくる。居ても立ってもおられずにバイクでやってくるのである。
 大学生の青年のもとに佐賀県の裕福な実家から、父親がつてをたどって手に入れたチケットが届くが、彼はそのことが言い出せない。彼はビートルズにそれほど興味がない。しかし苦労もなくチケットが送られてくる。そういう自分を、「恥ずかしい」と感じるのである。
 
 まさに“はづかし病”で共感できる。結局、彼はチケットを宗男に差し出すが、事情を聴いた宗男は通りすがりの女の子にそのチケットをあげてしまうのだった。
「なんで?」と普通は思うだろう。あんなに行きたがっていたのに。
 当時、チケットを手にできたのは、選ばれた人たちで、その周りにはおびただしい数の選ばれなかった人たちがいたのだろう。彼らはあえてその選ばれなかった人たちのなかに身をおこうと決めるのである。
 しかし、「もったいないなー」と思う。“はづかし病”に対抗できるのは“ひらきなおり”である。
 あえてのあえてで、やっぱりここは行く、というパターンが、他の脚本家ならあったかもしれない。
 
 このドラマに初めから登場している宗男役を演じている峯田和伸という人が、私はずっと気になっていた。
 調べてみると銀杏BOYZというバンドをやっているミュージシャンで、評価の高い演技をする俳優としても有名な人だということがわかった。
 GOING STEADYというバンドで彼が歌う「愛しておくれ」を聞いて、ああ、この人だったのか、と気がついた。繊細でシャイでおおらかで、なんとも言えない魅力のある人である。
 大阪の片隅で日々の生活にまみれながら、ひっそりとファンでありつづけたい、と思える人である。

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