みたび英国湖水地方へ
大阪中之島にあったフェスティバルホールが知らないうちに高層ビルに生まれ変わっていた。そこに見晴らしのいいレストランがあって友達2人とランチに行った。昨年の9月のことである。
私はそこで、「ねぇ、来年の9月に一緒にイギリスに行かない?」と2人に言った。前年に私が夫と行ったのと全く同じ行程を提案した。前回の旅からの帰国後、私は次は10年後でいいと思ったのに、1年たつともうむずむずと行きたくなったのだった。
2人とも、「いいなぁ」と言ったが行くとも行かないとも返事をしなかった。私のほうもそれほど真剣ではなく、50%の確率くらいかな、と考えていた。
それが結局、そのまま現実化することになったのである。全員が主婦だから家族の了解が必要である。パートに行っているので仕事の調整が可能かどうかの判断もいる。しかし一番たいせつなのは、「絶対行きたい」という3人の強い意志だった。
Tさんとは4年前に夫の仕事で夫婦二組で一緒にイギリスへ行った仲である。この時はふたりでロンドンからの現地ツアーで湖水地方へ行った。その後も彼女は夫の仕事で何度もロンドンへ行っている。もう1人のNさんはイギリスは全く初めてである。
私達は何度も集まり、日程、飛行機、ホテル、鉄道についてじっくり相談し、決定をしてネットで予約をしていった。1人で予約をするのは勇気がいるので3人で確認しながらクリックをしていったのである。まさに「三人寄れば文殊の智恵」という感じで心強かった。
飛行機は前回と同じで夜にヒースロー空港に到着する。前は空港近くのビジネスホテルに泊まって翌朝、鉄道で湖水地方へ向かった。スーツケースを持っての移動だった。今回は空港から地下鉄でロンドン市内に移動し、湖水地方からもどった後に宿泊するのと同じホテルに泊まることにして、スーツケースを預かってもらうことになった。これは私がメール(英会話の先生に添削してもらった英文)でホテルに問い合わせをして確認した。
鉄道のチケットについては、前回までは日本のチケット会社に手数料を払って手配をしてもらい、事前に自宅へ送ってもらっていたのを、今回は直接に現地の鉄道会社から買うことにした。値段が倍以上違うのである。クレジットカードで決済し、当日、駅の機械で切符を受け取るのだった。これについてはかなり念入りにシミュレーションをして3人揃ってパソコンに向かった。サイトは英語だったが、座席指定までできた。あとは現地でうまく受け取れるかである。
旅行用のバッグや靴を買ったといっては写真を送り合い、本やDVDを貸し借りしてこの旅行を楽しみに時間を過ごしてきた私達だったが、それも旅立ちがずっと先のことだった頃は気が楽だった。それが今や出発まで1ヶ月を切っている。
9月の予定は次々とはいってくる。それを断っていかなければならない。新聞をとめる連絡をし、生協の注文を調整し、スマートフォンの海外での使い方を確認し、イギリスの気温を調べて洋服を決め、カメラを準備する。前日までに終えておかなければならない仕事もたくさんある。
細かなことを考えなければならないこの時期になって、私はむしょうに堺の方違(ほうちがい)神社へ行きたくなった。前回も方違さんにお参りをしたのである。近頃はどこの神社でも海外旅行用のお守りを売っている。1人で行ってお守りを三つ買おうと考えていたが、Nさんに言うと一緒に行くという。彼女とは家が近いので車で迎えに来てくれることになった。
最後は神頼みである。
ピーター・ラビットの故郷、ビアトリクス・ポターが守ったあの美しい風景のなかに、また身をおけると思うだけで心が震える。
どうか、無事に行って帰ってこられますように。
な~~~に その3人の文殊の智慧で 旅は きっと楽しいものになること うけあい。 3人寄れば 姦しい?
Bon voyage!
by Peter Jr (2016-09-03 08:33)
いい天気で、迷ったりしない旅になりますように!
by 霞村ユリル (2016-09-24 19:56)